こんにちは。福岡県在住のパパライター・大塚拓馬(@ZuleTakuma)です。
今回は福岡市東区で活動している「ビリーム子どもスポーツクラブ」の代表を務めていらっしゃる田中健翔さんより取材依頼をいただきました。
「ビリーム子どもスポーツクラブ」の理念や代表の田中健翔さんが、スポーツを通じて子どもに伝えたいことをお聞きしています。
代表の田中健翔さんの専門はサッカーで、子どものサッカークラブでの指導もされてらっしゃるとか。
うちにも4歳の息子がいて、よく公園でサッカーしに遊びに行くんですよね。そこで、僕には相談したいことがあります。
「公園で子どもとサッカーするとき、どうしたら盛り上がるかようわからん」
子どもに教えるプロの田中先生なら子どもとの公園サッカーをどうやるのか…ちょっと見てみたいんですよね。
ビリーム子どもスポーツクラブの情報をお聞きしつつ、子どもとの公園サッカーの楽しみ方も教えてもらおうと思います。
- 福岡市のビリーム子どもスポーツクラブとは?
- プロに子どもとの公園サッカーのコツを教えてもらおう
- 「サッカーは嫌いでした」田中さんが「ビリーム」を開いた理由
- 夢を教えてくれる「ビリーム子どもスポーツクラブ」
福岡市のビリーム子どもスポーツクラブとは?
▲ビリーム子どもスポーツクラブ代表・田中健翔さん
――「ビリーム子どもスポーツクラブ」とは、どんなスポーツクラブなんですか?
田中さん:福岡市東区・博多区を拠点とした、子どものスポーツ教室です。幼児体育教室・幼児サッカースクール・小学生サッカースクールを開いています。
――体育教室とサッカースクールが選べるんですね。幼児体育教室ではどんなことをやるんですか?
田中さん:かけっこや鬼ごっこ、マット運動にボールを使った運動など、さまざまな運動に触れてもらって、子どもの「好き」や「得意」を探すお手伝いをします。4歳児~5歳児を対象としているので、遊びの延長で楽しんでもらえれば。
――へぇー! 何をやらせたらいいかわからないパパママにぴったりですね。
田中さん:子どもたちには、楽しく運動をすることで体を動かすおもしろさを感じてもらいたいと思っています。「体育遊び」という感じで、遊びの延長ですね。
――幼児サッカースクールではどんなことをするんですか?
田中さん:ラダーなどを用いたコーディネーショントレーニングや、サッカーボールを用いた運動を行います。こちらも遊びの延長という感じで、4歳~5歳が対象です。サッカーが大好きな子はもちろん、サッカーにあまり親しみがない子でも楽しめるようにしていますよ。
――サッカースクールに関しては、小学生向けのものもあるんですね。
田中さん:小学校1〜4年生の子を対象にしたものですね。サッカーの技術習得を通じて「サッカーを楽しむ」ことを学ぶスクールです。ミスをしても叱るのではなく、もっとうまくなる方法を丁寧にアドバイスします。
――ここでも「楽しむ」ですか。どのクラスでも「楽しむ」ということを大切にされているのが特徴的ですね!
田中さん:楽しんでほしいのは、スポーツを好きになってほしいと考えているからです。叱るのは練習中にふざけていたり、言葉の暴力などがあるときだけですね。
――田中さんは「ビリーム子どもスポーツクラブ」をどんなクラブにしたいと考えていますか。
田中さん:子どもたちが「楽しみ」と思う場所にしたいというのが第一です。そして、好きなことを見つけられる場所にしたいですね。「好き」という気持ちから、子どもは「夢」を持つと思っていますので。好きなものを見つけて、それをずっと好きでいることを応援するのは大切なことだと思います。
ビリーム子どもスポーツクラブの場所や料金は?
では、ビリーム子どもスポーツクラブについて概要をご紹介します。
- 幼児体育教室 年中(4歳) 月謝 3,300円
- 幼児体育教室 年長(5歳) 月謝 3,300円
- 幼児サッカースクール 名島クラス(4歳~5歳)月謝 3,000円
- 幼児サッカースクール 社領クラス(4歳~5歳)月謝 3,300円
- 小学生サッカースクール(小学校1年〜4年生の男女)月謝 3,500円
※幼児サッカースクール 名島クラスは「名島運動公園 自由広場」、それ以外はすべて「社領スポーツ広場」で実施されます。
入会方法、詳細なスケジュールなど、さらに詳しくは「ビリーム子どもスポーツクラブ」の公式サイトをご確認ください。
プロに子どもとの公園サッカーのコツを教えてもらおう
――ちょっとここからは僕の相談なんですけど……。僕も子どもが4歳で、子どもと公園でサッカーすることがあるんです。
田中さん:へえ、いいですねえ! お子さんも喜ぶでしょう。
――いや、わかりません。
田中さん:えっ?
――僕が蹴り、子が蹴る。そして、僕が蹴る。それを繰り返す。……公園に単調な時間が流れます。僕は雰囲気で子どもとサッカーをやっているにすぎないんです。
田中さん:えっ、えっ、え? ……いや、そんな言い方しなくてもいいと思いますけどね。幼児期は「ボールを蹴る」ということに親しむだけでも、子どもは楽しいと感じるはずですし、サッカーも上手くなりますよ。
――僕も最初はそのように思っていました。でも、息子のこーくんは最初こそめちゃめちゃ楽しそうなのにすぐ飽きてしまいます。
田中さん:ま、まあ子どもはいろいろな遊びがしたいですよね。 サッカーだけにこだわる必要もありませんし…。
――なんか僕が「サッカー」をつまらなくしている気がして……。ちょっと田中さんなら、どんな風に子どもと公園サッカーをやるのか見せてくれませんか?
田中さん:なるほど、いいですよ!
……ということで、田中さんと近くの公園にやってきました。僕の息子のこーくん(4歳)と公園サッカーをしてもらいます。
息子には昨日「明日、サッカーせんせいが来るよ」と伝えておきました。
田中さんを見つけた息子は大喜び。サッカーを楽しみにしていたようで、2人はすぐにボールを蹴りはじめました。
ここまでは僕がサッカーをやる時と一緒。
田中さん:うまい! しっかり蹴れるね。よし、今度はもっと遠く離れてみよう!
▲遠く離れてもそこそこうまく蹴れたこーくん
田中さん:うまい! よくできたね、いえーい!!
その後も全力で4歳のこーくんとサッカーに向き合う田中さん。
公園に響く2人の声。
僕はサッカーに興じる二人を眺めながら、こーくんと一緒に公園に来てくれた妻に話しかけました。
――ねぇ、こーくん、もうけっこう長いことサッカーやってるよね…。
妻:うん、もう20分くらいやってるね。
――まじか…。
妻:こーくん、本当はこんなにサッカー好きなんだね。いつ飽きるんだろう。
30分程すぎたその時。
こーくん:あっちであそびたぁい。
ついにサッカーに飽きたか…。じゃあ、サッカーせんせいから、お父さんにバトンタッチだ。
あ、じゃ、こーくん、お父さんと遊ぼっか!
あれ?
あら??
妻:そりゃそうでしょ。なんでこのタイミングで急にお父さんと遊ぶのよ。
でも、これじゃ田中さんにただ子守りしてもらってるだけになっちゃう……。って、あれ?
うそやん。またサッカーしてるわ。
妻:すごいね……。本当にサッカー楽しいんだね…。でも、そろそろ終わりにしないと…。
――あのさぁ。
妻:ん、何?
――俺のかわりに「そろそろ終わりにしよっか」って、声かけてくんない?
妻:え、なんでよ。
――……俺、言いづらいわ。
妻:ちょっと! なに自分の子どもに遠慮してんの! ほんっと情けないわ。
妻が声をかけると、こーくんはとくにグズることもなく、さわやかに「サッカーせんせい」とお別れしました。
田中さん:また会えるからね、こーくん。また遊ぼうね! 先生もアビスパ観に行くから、アビスパで会えるよ!
こーくん:うん、バイバイ! アビッパオーレ―!
妻:…もう。こーくんの方が、お父さんよりよっぽど男らしいわ。
――ほんとね……。
なぜこーくんはサッカーが楽しかったのか
サッカー実演を終えた僕らは、最初の喫茶店に戻ってきました。
――いやー……、田中さん、さすがでした。あんなにサッカーに集中する息子の姿は初めて見ました。
田中さん:一回サッカーを止めたのに、またサッカーする!って言ってくれたんで、「あ、楽しんでくれてるなあ」と思いました。よかったです。
――とにかくまず第一に思ったのが、全力でボール遊びに向き合っているなと。
田中さん:子どもは大人をよく見ています。一緒になって真剣に楽しまないと、手抜きはバレます。
――僕も頑張っているつもりでしたけど、田中さんの姿を見て「ここまではやれてないな」と。思っているよりもう一歩、頑張らないとなと思いました。「うまい!」という声掛けの多さも印象的でした。
田中さん:そうですね! できることはどんどんほめてあげつつ、さっきやったことよりも難しいことにチャレンジさせて、できることを伸ばします。
――チャレンジですか。
田中さん:こーくんがボールを上手に蹴れたんで、「離れても届くかな?」と僕が離れて距離を伸ばしたじゃないですか。ゲーム性を持たせてチャレンジさせると、子どものやる気を引き出せます。
▲田中さんはこーくんが蹴れるのを見て、すぐに遠い距離にチャレンジさせた
――なるほど。たしかに最初のあの蹴り合いで、こーくんの心をつかんだ感じはありました。すごく楽しそうだったし「うまく蹴ってやるぞ」という、こーくんのやる気を感じました。
田中さん:公園で子どもとサッカーをするときは、まず大人が全力でやること。そして、ゲーム性を持たせることですね。そして、うまくできたらまた誉めて、難しいことにチャレンジさせるというのがコツだと思います。
――ゲーム性を持たせるというのは、具体的にどんな感じでやればいいですか?
田中さん:何かを的に見立てて的あてするとか、足を広げてゴールにするとかなんでもいいと思いますよ!とにかく楽しませることが大切です。
――いやー、本当に勉強になりました。ありがとうございます!
「サッカーは嫌いでした」田中さんが「ビリーム」を開いた理由
最後に、田中さんについて、もう少し詳しく知ろうと思い、いろいろとお話させていただきました。
なぜ「ビリーム子どもスポーツクラブ」を立ち上げようと思ったのか、そこを探ろうと思います!
対照的な2人の「師」との出会い
――田中さんはサッカー選手になりたくて、サッカーを続けてこられたんですよね?
田中さん:いえ、実は僕のサッカーのキャリアは小学生の頃に一度終わっていて…。
――えっ、そうなんですか! それは何かケガとか…?
田中さん:いえ、サッカークラブに苦手なコーチがいて、それが原因で辞めました。ミスをすると叱るようなコーチで前から「嫌だなあ」とは思っていたんです。普段から怒ることが多くて、いつもそのコーチの顔色をうかがっていました。
――それは何か嫌ですね。楽しくないというか…。
田中さん:決定的だったのが、ある試合での出来事なんですけど。僕が決勝ゴールを決めて、6-5で試合に勝ったんですよ。僕は仲間からも称えられ、勝てて嬉しかったんです。でも、そのコーチはカンカンに怒ってまして。
――えっ、勝ったのに?? どうしてですか?
田中さん:「今日の相手なら10‐0で勝てなきゃダメだろ」という叱責でした。ゴールを決めて、勝ったのにこっぴどく叱られて嫌な気持ちになりました。チームでは「次は10‐0で勝とう」という機運が高まり、いくら点を取っても「あと7点!」みたいな感じになって。そのへんから「サッカー、つまらないな」と。
――それは確かに嫌になりますね……。じゃあ、結局、中学と高校では別のスポーツをしたんですか?
田中さん:いえ、サッカーが嫌いになってから、他のスポーツもあまりやりたいと思えなくて。6年間帰宅部でした。
――えー! 本当ですか。では、なぜ今「子ども」に「サッカー」を教えているんですか? 普通こうはならないと思うんですけど……。
田中さん:まあ、そうですよね。笑 まず「子どもが好き」ということに、学生時代に気づけて、幼稚園の先生に就職した経験が大きいですね。
――あ、幼稚園の先生だったんですね! 道理でこーくんとすぐ仲良くなれるわけだ…。「子どもが好き」ということに気づいたきっかけは何だったんですか?
田中さん:中学、高校の頃に通ってた塾の先生と「夢」について話したからです。先生が「何か目標を持った方が、勉強は頑張れるよ」と言ってくれて。先生が僕の目標を探すために「何が好きか」という質問を根気よくしてくれました。
――へえ、めっちゃいい先生だ。
田中さん:バイトの大学生の先生だったんですけどね。先生は口数の少ない僕に対し、諦めずに「経済に興味ある?」「おじいちゃんやおばあちゃんは好き?」とか、いろいろ質問してくれました。そして「子どもは好き?」と聞かれて。「好き」と答えました。
――子どもは前から好きだったんですか?
田中さん:いや、全然意識はしてなかったです。でも、昔よく近所の小さな子と遊ぶのが好きで、よく遊んでいたんですよ。それで「好きだ」と思って。先生の質問責めのおかげで「子どもと関わる仕事をするのがいいな」と気づけたんです。
――それは超重要なターニングポイントですね。大好きなサッカーを嫌いにさせてしまったサッカーチームのコーチと、無意識に好きだったものに気づかせた塾の先生。とっても対照的ですね。
田中さん:僕は「子どもが好き」という自分に気づけたおかげで「幼稚園の先生になる」という夢を見つけて、それに向かって一生懸命頑張ることができました。だから「好き」という気持ちって、夢や目標を持つために、ものすごく大切なことだと思うんです。
――なるほど! だから「ビリーム子どもスポーツクラブ」を「楽しむ」ということを第一に掲げているんですね。
田中さん:そうです。好きなものを好きなままでいてほしいなあ、と思います。そうすると、きっと何か頑張れる目標が見つかると思うので。
――たしかに、子どもの頃に好きなものを肯定してくれる大人って重要ですね。田中さんも少年時代のコーチが、もしサッカーの楽しさを教えてくれる人だったら、全然人生は違うかもしれないんですもんね。
田中さん:そうですね。僕は子供に好きなものの見つけ方や、夢の見つけ方を教えられる大人になりたいです。
幼稚園の先生からスポーツの先生に転身した理由は?
――幼稚園の先生の仕事は楽しかったですか?
田中さん:楽しかったですね。自分に合っていると思えましたし、目の前のことを一生懸命にやれば評価してもらえて、周囲に信頼してもらえると感じるようになりました。
――そんな幼稚園の先生から、スポーツを教える先生になろうと思ったのはどんなきっかけがあったんですか?
田中さん:勤めている幼稚園にスポーツの先生が来たことがあって。その先生が子供たちと楽しそうに運動するのを見て「いいなあ」と思って…。「自分の想いを実現するには、この仕事しかない」とピンときました。
――しかし、中高とスポーツやサッカーから離れていたのに…。やっぱり、まだ気持ちは残っていたんですね。
田中さん:そうですね。「サッカーが嫌いになった」と思ってはいたんですが、アビスパ福岡を応援するようになって…。辞めている間も、サッカーは身近な存在ではあったんですよ。
――なるほど! サッカーへの気持ちをアビスパが繋ぎ止めていたんですね。
田中さん:そうとも言えますね。サッカーやスポーツに携わりたいという気持ちがふつふつと湧き上がってきました。
――でも、サッカーをやっていたのは小学校以来ですよね。指導に向けて、どんな勉強をしましたか?
田中さん:幼稚園を辞めてから、少年サッカーのクラブチームのコーチになり、指導の勉強をしました。JFAの公認ライセンスもとりました。とくに少年サッカーの指導で、子どもたちが成長していく姿に僕自身も自信が持てましたね。
――なるほど。これまでの人生の経験を次の夢への糧にして突き進んでいく田中さんの姿に、きっと田中さんに教わる子どもたちも、好きなことを追求する大切さを学べることと思います。
田中さん:ありがとうございます。僕はこのスクールでまずはスポーツを楽しんでもらい、好きなことに出会ってほしいと思います。「ビリーム子どもスポーツクラブ」は経験の入口なんです。このスクールを通じ、楽しむことが「好き」につながり、「好き」が「夢」につながってくれることを祈っています。
――これから「夢の伝道師」として、がんばってください! 貴重なお話をありがとうございました!!
夢を教えてくれる「ビリーム子どもスポーツクラブ」
「ビリーム」というのは、believeとdreamを合わせた造語とのこと。
「自分を信じ、夢に向かって頑張ってほしい」という、田中さんの想いが込められた名前です。
田中さんはご自身が大好きなサッカーを一度嫌いになってしまった経験から「好きなものを好きなままでいてほしい」という切実な想いをお持ちです。
スポーツの先生である前に「教育者」である田中さんなら、安心して子供を任せられるなと思いました。ぜひ興味のある方は「ビリーム子どもスポーツクラブ」の公式サイトで詳細をチェックしてみてくださいね!
僕自身も一人の親として、子どもの「好きなもの」や「夢」の可能性を広げられる存在になりたいなと思います!