こんにちは。ライターの大塚たくま(@ZuleTakuma)です。
最近は「辛麺鶴商店」さんからの依頼で、取材記事を公開している「大塚たくま.com」。今回も辛麺鶴商店さんの提供でお届けします。
これまで2本の記事を公開しました。1本目の試食会では辛麺初心者、鶴商店常連客、ラーメン店主という三者三様の試食隊にご参加いただきました。
そのうちのおひとり、ラーメン店主の甲斐さん。
じつはこの方、わざわざぼくと一緒に辛麺を食べるために東京から福岡までいらっしゃったツワモノです。
めちゃくちゃ行きたいけど帰省しないとだw https://t.co/fCHdrL8DZB
— 博多ラーメンでぶちゃん高田馬場本店 (@DevchanRamen) 2020年10月14日
このツイートがきっかけでホントに福岡まで辛麺を食べに来てくださったんですよ。ぼくも「マジで?」って感じでしたが、せっかくなんで会ってお話してきました。
ラーメン職人が辛麺初体験をしたら何を思うのか、ぼくも興味があります。
高田馬場にある「博多ラーメンでぶちゃん」とは
博多ラーメンでぶちゃんは、高田馬場にあるラーメン店です。
お店ではラーメンだけでなく、九州の美味しいものがたっぷり味わえるようになっており、もつ鍋や馬刺し、ごまカンパチも食べられます。
東京でいちばん九州に近い場所……とでも言いましょうか。そんな「でぶちゃん」の見どころは日替わりのメニュー。日替わりでさまざまなメニューが現れます。
本日はこちら。
— 博多ラーメンでぶちゃん高田馬場本店 (@DevchanRamen) 2020年11月25日
今日はスモークチキンじゃなくてハーブチキン仕込んだのでサラダ。
ドレッシングも手作りです。
白子は鍋に!
蟹のだし巻きは今日は4食限定!
予約推奨。
よろしくお願いします。 pic.twitter.com/phvPJQ8Cf5
メニューはいつもTwitterで告知されています。もう内容がラーメン屋じゃない。なんと意欲的なラーメン店。
さらにでぶちゃんさんはYouTubeも意欲的に更新されています。内容は美味しいレシピ動画が中心です。
そんな楽しいお店「でぶちゃん」の店主・甲斐さんがぼくと辛麺を食べるためにわざわざ東京から来てくださったのです……!!ほんとにいいの?
飽くなき九州メシへの探求心!博多ラーメンでぶちゃん店主・甲斐さん
――今日はわざわざ東京からぼくと辛麺を食べるために来てくださってありがとうございます。
甲斐さん:いえいえ、でも、そもそも、3ヶ月に一度、最低でも半年に一度は福岡に行くようにしてるんですよ!
――あっ、そうなんですね。それは帰省のために……ということですか?
甲斐さん:たしかに地元はこっちなんですけど、メインは食の勉強ですね。福岡の食の流れを逃さないように勉強に来ているんです。
課題店クリア。
— 博多ラーメンでぶちゃん高田馬場本店 (@DevchanRamen) 2020年10月21日
うま。 pic.twitter.com/mlraWrx7vt
▲筆者に会う前もラーメン店に勉強訪問していた
――なぜそこまでされるんですか?
甲斐さん:ぼくは高校卒業と同時に上京したんですけど、故郷を離れてから分かったんですよ。九州の食の美味しさが。ぼくはとにかく九州の食文化を広めたいんです。
――たしかに「でぶちゃん」では、ラーメン以外にもたくさんの九州の美味しいものが食べられますもんね。そういう理由があって、福岡訪問を続けているんですね。
甲斐さん:そうですね、今回の辛麺試食会参加もその活動の一環です。鶴商店さんのこの「博多辛麺を広めたい」という想いが私の想いともリンクするように感じました。
――辛麺にはどんなイメージがあります?
甲斐さん:どうしても「辛いもの好きのための食べ物」というイメージがあり、「辛みが強くてうま味に欠ける」イメージがあります。スープをどのようにアプローチしているかが気になります。
――そう。ぼくもそうなんですよ。福岡の人ってスープに厳しいですよね。うどんもラーメンも麺が主役のはずなのに、スープで語る。もつ鍋も水炊きも、とにかくスープが大好き。
甲斐さん:「博多辛麺」と謳うからには、やはりベースのスープのうま味には注目したいですね。
甲斐さんは「博多辛麺鶴商店」を食べて何を思うのか
ぼくは甲斐さんと一緒に「博多辛麺鶴商店」へ移動。
辛麺初心者の方と、辛麺鶴商店の常連さんといっしょに0辛から100辛まで食べるという企画を行い、大いに盛り上がりました。詳しくはこちらの記事で。
0辛から100辛の辛麺を食べた後、腕組みをして思案している甲斐さんの姿が印象的でした。
――博多辛麺鶴商店さんの辛麺、いかがでした?
甲斐さん:いやぁ、美味しかったですね。辛さに隠れがちなベースのスープにも、しっかりと目を向けている印象です。
――まったく「辛いだけ」じゃなかったですね。
甲斐さん:何よりも完成度といいますか、まとまり感が素晴らしいです。0辛を食べると、特段目新しい味のスープではない印象なんですけど、唐辛子が入るととってもおいしい。
――辛みを足しても、スープのうま味を感じられましたもんね。
甲斐さん:0辛でしか、そのベースのスープの味はわからないんじゃないかと予想していたのですが……。結果的には、いただいた7辛までしっかりとベースのスープの味を感じ取ることができました。脱帽です。
――卵麺がよく合う、鶏ガラスープがベースの辛麺。醤油ベースでこんにゃく麺を使う宮崎の辛麺とはかなり違いますよね。
甲斐さん:あえて宮崎の辛麺とは異なる路線でつくっているんでしょうね。オリジナルの物やトラディショナルな物を変化させる事は掟破りとも言われますが、私は「挑戦」だと解釈しました。
――挑戦的な辛麺ということですね。
甲斐さん:発祥である宮崎の辛麺を理解した上で、独自のアレンジをされています。博多辛麺鶴商店の辛麺の特徴は、何よりもこの「挑戦」にあるんじゃないでしょうか。
真剣に「博多辛麺」と向き合った甲斐さん。福岡県内に着実に増えている「辛麺」のお店の中の新しい波を敏感に察知した様子でした。
ある日、甲斐さんから荷物が届く
アツい辛麺研究試食会からしばらく経ったころ、東京の甲斐さんから荷物が届きました。
辛麺だ!!
なんと甲斐さんは東京に帰った後、すぐさま福岡で食べた辛麺の味を自分のお店で再現。日替わりメニューに「鶴商店風博多辛麺」を登場させたのです。
先週インプットしてきた
— 博多ラーメンでぶちゃん高田馬場本店 (@DevchanRamen) 2020年10月26日
博多辛麺!
勉強させて頂いた
博多辛麺鶴商店さんの辛麺のオマージュです!
宮崎の辛麺とは異なります!
今夜販売! pic.twitter.com/XDPsJXr6n4
ぼくも自宅で調理して試食してみました。
めちゃめちゃいい香り。香りはかなり鶴商店さんの辛麺に似ていました。
麺は鶴商店さんとは違い、ストレートの麺を使用。スープに関してはかなりいい感じに再現できています。まさに旨辛。完全に一緒ではありませんが、これはこれでめっちゃ美味しい。
――甲斐さん!!これ、めちゃ美味いです。一回食べただけで、こんなに再現できるの凄いですね。笑
甲斐さん:よかった!嬉しいです。ぼくはけっこう、福岡の人気店の料理を再現するのが好きで。これまでも「らるきい」風のパスタや、「元祖」風の長浜ラーメンなど、いろいろチャレンジしているんですよ。
お盆で余裕ある気がするので22時まで限定で
— 博多ラーメンでぶちゃん高田馬場本店 (@DevchanRamen) 2019年8月11日
福岡で有名ならるきいの
ぺぺたまをオマージュした
これやります。
ちゃんぽん麺で作るまるで生パスタの
ぺぺたま! pic.twitter.com/XIM5Ywwn7k
本日のオススメ!
— 博多ラーメンでぶちゃん高田馬場本店 (@DevchanRamen) 2020年8月15日
元祖長浜屋オマージュのラーメン!べた(油多め)にも対応可!
がんながと言えば塩の効いたキレッキレの清湯豚骨!
今夜もよろしくお願いします! pic.twitter.com/lqqYbMChFU
――どれも美味しそう。まさに創作博多料理。こんなお店、常連さんは通うのが楽しいでしょうね。博多辛麺鶴商店さんの辛麺を再現するのに、もっとも重要視したポイントはどこですか?
甲斐さん:ベースのスープの旨さと辛さとのバランスですね。辛麺である前に、食べ物としての完成度を上げられるように頑張りました。ちなみに、自店で提供した辛麺の麺は、この辛麺の為に特注した麺です。
――あのストレート麺は特注だったんですね。日替わりメニューのために、特注麺までつくる店なんて、「でぶちゃん」以外に存在するんですかね……。笑
甲斐さん:やるからには本気でやらないと!
――お客さんからの反応はどうでした?
甲斐さん:とても好評でした。宮崎発祥の辛麺とはまた違うけれども、食べ物として非常にまとまりの良い辛い麺だね~、という意見を聞き、狙い通りにできたなと思ってます。
――これからも辛麺をお店で提供していくつもりですか?
甲斐さん:はい、これからもコンスタントに日替わりメニューで辛麺を提供していこうと思います。宮崎発祥のオリジナルも良いですが、私は博多辛麺鶴商店さんの意志に共鳴しましたので、あえて「鶴商店オマージュの博多辛麺」として東京で発信していきたいと思います。これからも福岡で辛麺は盛り上がりそうですね。
――ホントに「でぶちゃん」はおもしろいお店ですね。笑 今回は取材にご協力くださり、ありがとうございました。
これから福岡で辛麺ムーブメントが来る……!?
福岡では今、まさに辛麺のお店が続々と増えている状況です。ぼくの自宅近くにも、既に何店舗かできており、福岡の地でこれからもっと「辛麺」は盛り上がってくるんだろうなあ、と実感しております。
そんな中生まれた「博多辛麺」という新しい流れ。宮崎辛麺のシャープな辛さと比べると、マイルドな辛さ。唐辛子の辛さとうま味にこだわったスープの両方が主役で、福岡の人が好きそうなとても魅力的な麺料理です。
辛いものが苦手な方でも1辛~3辛程度なら、小学生でも食べられるくらいの辛さなのでぜひ一度食べてみてください!これからの福岡の辛麺に注目です。
鶴商店の博多辛麺は通販でも購入できます。ぜひ食べてみてください!
取材協力:博多ラーメンでぶちゃん高田馬場店
提供:博多辛麺鶴商店