こんにちは。福岡のフリーライター、大塚拓馬(@ZuleTakuma)です。今日は珍しく、ただの日記のような内容を投稿したいと思います。
本日は2020年5月14日。先ほど、ぼくの人生で初めてのラジオ出演が無事放送されました。番組名は「レッツ!ビートルズ on Radio」。FM佐賀の番組です。
こちらの番組でビートルズの楽曲解説を嬉野温泉の取材でお世話になった、旅館大村屋の北川健太さんが担当しており、そのご縁で今回の出演となりました。
▲嬉野温泉 旅館大村屋の北川健太さん
旅館大村屋の北川健太さんとの出会いは2019年9月。
2019年8月の佐賀豪雨の際、嬉野温泉や武雄温泉で風評被害を受けてしまい、無傷の温泉地で観光客が激減しているというニュースを目にしました。
「何か力になれないか」と思った僕は、いつも執筆させていただいていたおでかけ情報メディア「SPOT」に嬉野・武雄温泉の現状を伝える記事企画を提案。
企画が決まってからは大急ぎで取材先を探しました。その中で目にしたのが、こちらのツイート。
武雄温泉、嬉野温泉共に通常通り営業しております。
— 嬉野温泉 旅館大村屋(Ryokan Oomuraya) (@oomuraya) 2019年9月2日
「被害」のみではなく「安全」な面も報道して欲しい。本当に予約のキャンセルが半端ないし、新規予約も動かない。経済的な二次被害も辛いです。
この切実なツイートを目にした僕は「今回の記事で取材に行くならここしかない」と思い、すぐに連絡を取りました。北川さんが快諾してくれたおかげで、迅速に記事が制作できたのです。
嬉野温泉と武雄温泉の今を伝えたこの記事は、佐賀の事を想う心優しき皆様に熱意ある拡散をしていただき、Twitterのシェアは3700を超えました。
この記事の取材において、旅館大村屋の北川さんには旅館大村屋の魅力だけでなく、嬉野茶や肥前吉田焼といった嬉野の魅力を余すところなく、伝えていただきました。
おかげで記事の内容はとっても充実し、嬉野温泉の魅力がギュギュッと詰まった記事に仕上がりました。コロナ禍が落ち着いたら、ぜひ皆様嬉野へ行きましょう。
さて、それはそれとして。
北川さんは幼少期からの筋金入りのビートルズファンです。旅館大村屋には北川さんのビートルズコレクションが楽しめるラウンジがあります。
このラウンジには、ビートルズ関連のレコードや書籍がたくさん!
僕にとっては夢のような空間で、最高の環境の中でゆっくり「Abbey Road」を楽しみました。
僕は取材の傍ら、旅館でちゃっかりビートルズを満喫したのです。僕が福岡に帰った後、旅館大村屋のTwitterでは以下のようなツイートがされました。
先日のプチバズっているツイートを見て泊まりに来て頂いた方が理想的なお客様だった!
— 嬉野温泉 旅館大村屋(Ryokan Oomuraya) (@oomuraya) 2019年9月5日
まさに「湯上りを音楽と本で楽しむ宿」のコンセプトにぴったり。@ZuleTakuma 様、ありがとうございました! pic.twitter.com/mfQJOmZhVN
「理想的なお客様」って、なんか嬉しいですよね。笑
取材中も北川さんとビートルズの話で盛り上がり、その結果、今回のラジオへお声掛けをいただいたというわけです。なんだか長くなりました。
「レッツ!ビートルズ on Radio」はFM佐賀で放送されている30分番組です。前半15分をビートルズの曲を1曲紹介、後半15分はゲストが自分のお気に入りの楽曲を1曲紹介するというコーナーになっています。
後半のゲストは、ビートルズファンが登場するというわけではありません。嬉野市に関わったご活躍をされている様々な方が登場されています。
つまり、後半部分はビートルズ以外の音楽が流れることが多いようです。たしかにそっちのほうが番組としてバランスがいいと思います。
でも、今回はビートルズフリークの僕がゲストに行くわけです。僕だからこその選曲がしたい。
「この世の中で大塚拓馬しかやらないような、おすすめの1曲。」
……ちょっと大げさかもしれませんが、せっかく出演するならそんな選曲がしたい!と思ってしまった僕は熟考に熟考を重ねました。
その結果、僕はポール・マッカートニーが2001年に発表したバラード「Your Loving Flame」を選曲したのです。
ここからはなぜ僕がこの曲を選んだのかということを説明します。ビートルズおたくが爆発しますが、お許しを。
とても番組内では語り切れなかったので……語り切るつもりもなかったけど。笑
ポールはビートルズもウィングスも解散した今となっても、ビートルズ時代にも引けを取らないような美しい曲をつくっています。
ロックの歴史的な価値という面も加味すると、ポールが今出している作品はビートルズが持つ意味とは遠く及ばないというのはそうでしょう。しかし、楽曲の「質」という面では、けっして引けを取らないと思うのです。
90年代以降、ポールの新曲は往年のビートルズファンや音楽玄人だけが追うような状況です。今でこそCDのセールス順位がよい状況にありますが、それもまた若い世代がCDを購入しないことに起因します。音楽を買う時代は終わりつつあるのです。
ポールは今でも新しい音楽に貪欲で、時代の空気を作品にどんどん取り込もうとしています。そんな中、人知れず90年代以降も「さすがポール」と言われるような美しい曲をたくさん書いているのです。
「Your Loving Flame」はそんな中の1曲です。非常に美しい曲なのですが、この曲について語る人はそうそういませんし、ラジオで流れることもありません。
この曲の存在感が薄い理由は大きく2つあります。まずは「Driving Rain」というアルバムがポールのアルバムの中でも、セールス成績が最も悪いこと。
「Driving Rain」にもいい曲は入っているのですが、どうしてもフックに弱い感は否めず、発表当時の評判もあまりよくありませんでした。
ポールの楽曲への自信は、自分自身が選曲に携わったベスト盤「Pure McCartney」の楽曲リストでわかります。67曲のリストの中に「Driving Rain」の楽曲は1曲もありませんでした。
やはり、ポール自身もあまり「Driving Rain」の楽曲に自信はないのかもしれません……。
もう一つはこの曲が前妻のヘザー・ミルズさんへの愛を歌った曲であること。ヘザー・ミルズさんは、ビートルズファンの中では「悪女」として有名です。
ポールをヘザー自身が行っていた環境活動に大活用していたことも評判がよくありませんでしたし、離婚協議が泥沼化してポールをものすごく困らせたという経緯があります。
ビートルズファンにとって、ヘザーさんの件は「触れたくない傷」であることは間違いなく、それはおそらく、ポールにとってもそういう側面はあるのではないかと思われます。
そのため、そんなヘザー・ミルズさんへの愛を「Flame」と燃えるように熱く歌ったこの曲は今後、ライブで演奏することはまずありえません。ビートルズファンも、この曲を深く愛する人というのはあまりいないと思います。
しかし、曲に罪はありません。僕はこの「Your Loving Flame」を聴いて思います。このときのポールの愛が本物であったと。そして、その想いは「Driving Rain」に入っている、もう一つの曲「Heather」を聴くと確信に変わります。
ポールにとって、Heatherとはこんなイメージなのです。あなたはこの曲を聴いて、どんな女性をイメージするでしょうか。僕はこんな感じです。
・活動的
・美しい
・凛としている
・芯が強い
・真っすぐ
・さわやか
・誠実
きっとポールは活動的なヘザーが好きだったんだ。芯の強いヘザーを愛していたんだ。僕らは苦手だったけど。
そんなポールの想いが「Heather」と「Your Loving Flame」を聴くと、耳に直接伝わってくるような気がします。
僕はその時のポールだって、ポールだし、肯定したい。そして、この「Your Loving Flame」は間違いなく美しい曲だから、愛したい。
それに、僕にとってこの「Your Loving Flame」は、僕が初めてリアルタイムでハマり込んだポール。だからこそ、大切にしたいんです。
ポールは新しい妻・ナンシーのために「My Valentine」をつくりました。燃えるようなラブソングではなく、また別の切り口で美しいラブソングです。もう「Your Loving Flame」は役目を終えており、演奏されることはないでしょう。
でも、僕はこの曲を愛し続けます。ファンからも、ポールからも忘れてしまうことになりそうなこの曲を、世界でたった一人、僕が愛し続けるんだ……。
………という、想い(重い)をもって選曲したのが「Your Loving Flame」なのです。
「もうライブで聴けない」という悲しみを共有するために、あえて「Driving Rain」ではなく、当時のライブ盤をFM佐賀に持って行きました。僕のこだわりよ、伝われ!!
今日は僕のそんな想いを乗せて、佐賀中に「Your Loving Flame」が流れたわけです。
Sagan Loving Flame!!
ポールに燃えよ佐賀!!燃えよ嬉野!!
すばらしい。僕は満足だ。公共の電波を正しく使えた気がする。
さて、実はこの熱すぎる選曲は次回の「レッツビートルズ on Radio」でも続きます。何と僕は2回連続でゲストなのです!!いいんですか!!いいんです!!!!!
また、放送後にあつくるしいブログを残したいと思うので、また読んでください。
そして、最後にお知らせです。
【ライター・大塚拓馬に取材されたい店・人募集中】
・掲載先はこのブログです
・記事の企画は読者目線で丁寧につくりこみます(魅力の伝え方を一緒に考えましょう)
・自己紹介に使える決定版のような記事を作ります
・取材出張費のみいただき、執筆料はいただきません(交通費実費+取材日の時間拘束費1h1000円)
・オンライン取材可
・記事制作時は依頼を受けた旨を明記して執筆します(ステマはしません)
詳しくは大塚拓馬のTwitterアカウントか、メールで。