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「新聞に載った体験談」はほっこりする説

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こんにちは。ライターの大塚拓馬(@ZuleTakuma)です。

 

突然ですが、あなたは新聞に載ったことってありますか?

 

僕は高校生の頃に2度あります。当時運営していたホークス応援サイトが西日本新聞の社会面と、西日本スポーツのエンタメ面みたいなところに載ったんです。

 

とくに社会面に載った時はかなり顔写真と共に大きく掲載され、親はもちろん親族みんなで新聞を買ってくれて、みんなが誉めてくれて嬉しいような恥ずかしいような、くすぐったい気持ちになりました。

 

僕はそれが密かな自慢で「Twitterのフォロワーにマウントを取ろう」と思いつき、アンケートをとりました!

 

 

えっ。

 

そんなにみんな新聞に載ったことあるの……?

 

僕にとって「新聞に載った経験」は自慢だけど、なんだか恥ずかしい、でも嬉しかった特別な思い出。

 

みんなにとってはどうなんだろう。

 

……なんとなくそのエピソードって、ほっこりできそうな気がする。

 

新型で邪悪なアイツのせいでギスギスしているネット界。

 

僕は小さな「ほっこり」を求めるためだけに、クラウドワークスを活用して「新聞に載ったことある人」100人に調査を敢行。

 

エピソードを聞くついでに、新聞に載った体験談についていろいろ尋ね、集計してみました。

【調査方法・調査概要】
・調査方法 :クラウドワークスでのアンケート
・調査エリア :全国
・調査対象者 :新聞に名前が載った経験のある男女100人
・性別分布:男性(38人) 女性(62人)
・年齢分布:20代(39人) 30代(34人) 40代(20人) 50代以上(7人)
・有効回答数 :100
・調査期間 : 2018年4月17日

 

こういうアンケート、1回答10円でもあっという間に集まります。興味のあることはしっかり質問を練り、回答者が答えやすいように整備してアンケートを取ると、意外といい回答が集まります。

 

自宅から一歩も出ずに1000円札を出したら得られた100名の回答をもとに、お話していきます。

 

初めて載ったのは「小学生」が最多! 次いで部活関連

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新聞に載った体験として、もっとも多かったのは小学生の頃でした。絵や書道、作文などが賞を獲って新聞に掲載されたというのが定番パターンです。

 

<小学生の頃に載った人の体験談>

  • 夏休みの宿題で書いた書道の作品が「最優秀賞」を獲って、新聞に名前が掲載されました。その新聞は今でも実家に保管してあります。(20代女性)
  • 私は小学生の頃に絵が新聞に載りました。絵画は特に好きなわけではなかったのですが、自信になったことをとてもよく覚えています。母が特に喜んでいて、親戚に自慢してました。(30代女性)
  • 小学校中学年くらいの頃、年賀状コンクールで最優秀局長賞を頂き、名前が載りました。祖父母などの親戚や、お友達の親が連絡をくれ、たくさん褒めてもらいました。図工などがあまり得意ではなかったので、とても嬉しく自信になりました。(30代女性)

 

小学校の頃に新聞に載った経験は、自己肯定感を高めるきっかけになりそうですね。

 

高校生、中学生は学校での活動や部活動が取り上げられるケースが多かったようです。とくにスポーツの功績で掲載された体験談が多く寄せられました。

 

<中学・高校の頃に載った人の体験談>

  • 中学生時代、ある劇団に所属していた時に写真が大きく載りました。朝学校に登校したら担任の先生にホームルームで新聞を貼り出されてしまって、恥ずかしかったです。フリフリの衣装を着ていたので、男子生徒に少しの間いじられていました。(30代女性)
  • 高校で野球部のマネージャーをしていた私は、最後の夏に願いをかけて千羽鶴を折るとのタイトルで新聞に載りました。当時はとても恥ずかしかったですが、いい思い出です。(30代女性)
  • 高校時代に将棋の県大会でベスト8入りした際に新聞に名前が乗りました。嬉しかったですけど、親父がしばらく大事にその新聞を持っており、事あるごとに人に見せていたのが恥ずかしかったです。(30代男性)

 

小学校の頃は「嬉しい」という想いが強いようですが、思春期を越えると「恥ずかしい」という感情が目立つようになってきます。

 

それでもやっぱり、新聞に載ることっていい思い出になるんですよね。

 

意外と2回以上掲載された人も多い

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新聞に掲載された回数を尋ねてみたところ、大半が「1回」だと思ったのですが、2回以上という方も39%と多かったです。凄いな。

 

まさか新聞に載ったことがある人の中だとはいえ、「6回以上」が15%もいるとは思いませんでした。

 

<6回以上載った人の体験談>

  • 習字を習っていて、県の大会に毎年出していたので、毎年名前が載っていました。(30代女性)
  • 大学生のとき、毎年二回は募金の活動の県代表として新聞に掲載していただきました。募金していただいたおじいさんから「あんた、毎年新聞に載ってた人やんな?」と声をかけてもらって、とても嬉しかったです。(20代男性)

 

活動されている内容によって、定期的によく新聞掲載されるパターンがあるみたいですね。(知らない世界だ……)

 

名前も写真も載るケースが約半数

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「名前のみ」がダントツで多いのかと思いきや、名前も写真も載っているケースが合わせて49%。名前も文章も載っているケースが46%もありました。けっこう、しっかり載っていて皆さんすごい。

 

では、逆に名前だけしか載らなかった場合はどのような感想を持つものなのでしょうか。あえて名前だけ載った場合のエピソードに注目してみました。

 

<名前だけ載った人の体験談>

  • 夏休みの作品に賞が付けられたときに新聞に載りました。結果を新聞で直接知ったのでその新聞が届いたときはとても驚きました。次の日、学校で「おめでとう」とたくさんの人にお祝いされて、嬉しかったです。(20代女性)
  • 名前が載ったのは、わたしが教育に携わる仕事のためです。異動が決まったときに移動先と名前が載りました。これまでの教え子や保護者の方から連絡がきて、嬉しい限りだな、と思いました。また、他の職場で働く同期からも連絡がきて、また会うきっかけにもなりました。(20代女性)
  • 陸上競技の大会で、その地区大会で優勝した時に新聞に掲載されました。名前だけでしたが、友人や親戚、祖父母も見てくれてたいへん喜んでくれました。(20代男性)

 

このように名前だけでも新聞に載ると、本人と周囲に大きな影響をもたらすものだということがわかります。

 

内容のボリュームに関係なく、新聞に載るという出来事は多くの人にとって、ちょっぴり嬉しいものなのでしょう。

 

自分が載った新聞は買う?買わない?

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やっぱ買うよねえ~~~!!

 

……とはいえ、買わない人も40%いました。クールだなあ。僕は自分が載った時は5部くらい買った気がします。

 

<たくさん新聞を買った人の体験談>

  • 未来の街というテーマで絵画クラブ全員の絵が掲載されることになりました。小学生で自分の絵と名前が新聞に載るのは凄く誇らしかった事は覚えています。近所の人に教え歩いたし、親戚の人が来るたびに見せびらかしていました。(30代男性)
  • 近所の河川敷にゴミが沢山落ちているのが気になって、友達と一緒に放課後毎日ゴミ拾いをしていると、新聞社の方たちが取材に来て、撮影とインタビューを受けました。突然のことでびっくりしたけど、皆が褒めてくれたので嬉しかったです。でも、親が祖父母や親戚にまで新聞を送って誇らしげにしていたのは、大げさだと思ったし、恥ずかしかったです。(30代女性)

 

小学校の頃に載ったのなら、周囲の人に「載ったんだよ!」と見せびらかすのもわかるし、かわいいなと思います。

 

小さなころに、このような自信を与える出来事はとても大切なんでしょうね。だから、小学校ってやたらと賞状をくれるのかな。

 

それよりこの2人目の方ですよ。河川敷のごみ拾いを友達2人で自主的にやってたと。めちゃめちゃエラい。その情報を聞きつけて、取材する地元の新聞社もエラい。

 

祖父母や親戚が誇らしげにするのも納得の素晴らしいエピソードでした。

 

載った新聞は今でも保管しているのか

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やっぱり子どもの頃に載った人が多いので、保管してない人が若干多い結果です。

 

それでも、48%は大切に保管しているんですね。やっぱり、捨てられないですよね。なんとなく。

 

保管している人のエピソードを見ていきましょう。

 

<保管している人の体験談>

  • 子どもの頃に、俳句を投稿して新聞にのりました。滅多にない経験なので、その時はすごく嬉しかったことを覚えています。その新聞は、今でも記念にとってあります。小さい記事ではありましたが、とても良い思い出になっています(30代女性)
  • 小学生の時に、二度載ったのですが、その内の一つが「私の家族」という新聞社の企画で、自分の家族を紹介する作文が記載されました。自分はじいちゃんっ子だったので、じいちゃんの事が大好きですという様な内容で書いたと思います。その記事の切り抜きを、じいちゃんは大事に死ぬまでとっておいてありました。(40代男性)

 

「よい思い出としてとっている」という声がもっとも多かったのですが、印象に残ったのが二人目のおじいちゃんのお話。

 

じいちゃんのことが大好きだという作文が新聞に載ったのを、亡くなるまで大切にとっていたおじいちゃん。本当にうれしかったんでしょうね。

 

「言葉にする大切さ」を改めて感じさせるお話でした。

 

多くの人はおじいちゃんに「大好き」と伝えられないまま、おじいちゃんをお別れしているのではないでしょうか。

 

掲載内容は「部活関連」が圧倒的! ヒーロー的な内容の人も

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掲載された内容に関しては、予想通り「部活関連」がトップでした。部活関連の掲載エピソードをご紹介します。

 

<部活関連で載った人の体験談>

  • 高校時代に野球部に所属していました。三年生の最後の大会で私は公立高校でそこまで強くない高校でしたが、強豪校に勝利しました。スポーツ欄に自分の写真が載っていてかなり嬉しかったのを覚えています。次の日登校すると皆から新聞のことを言われて有名人になった気分でした。(20代男性)
  • 当時、サッカースポーツ少年団に所属していて、県大会を優勝した際に載りました。ポジションはディフェンダーで、決勝でたまたま点を取って新聞に載り、チームメイトから「なんでお前やねん」と1ヶ月くらい言われ続けられたことが良い思い出です。(20代男性)
  • 私が新聞に載ったのは、中学校の軟式野球の部活動にて、県大会への出場が決まったので、新聞の地域覧に選手として、名前と写真が掲載されました。人生で初めて新聞に載ったので、若干の恥ずかしさがありましたが、親戚や、友達の父兄さんから新聞の話をしていただき、とても感激したのを覚えています。(30代男性)

 

多かったのは部活などの大会で活躍し、その功績が記事になったというケースです。僕、実は青春時代に部活動をやってなかったので、こういう経験が皆無なんですよね。うらやましい。こういう結果は予想してました。

 

しかし、スポーツには勝利もあれば敗北もあります。悔しい思い出が新聞記事になるケースというのもあるのです。

 

<部活関連で載った人の悔しい体験談>

  • 初めて入賞して名前が載ったときは、マーカーを引いて大事に保管していた。しかし、徐々に自分の中で優勝以外は許されないという感覚になっていき、準優勝以下のときは悔しさがまたよみがえってしまい、もう新聞自体を読まないようにしていた。どうしても学校の先生等大人に「名前載っていたね」と言われることも多く、優勝以外のときは見て見ぬふりをしていて欲しかった。(30代女性)
  • 3年生の中総体の試合の写真が掲載されました 。自分は当時柔道部に所属しており、あまり強く無く団体戦の補欠選手でした。チームは決勝まで勝ち進み3年生最後の試合と言う事もあり、特別に出場する事が出来ました。対戦相手は市内で1位2位を争う強敵。結局、秒殺で一本背負いを決められ、その豪快にやられた写真が次の日の新聞にデカデカと乗りました。(30代男性)

 

当然ですが、人が勝利した記事は、人が敗北した記事でもあるわけですね。いかに僕が勝者しか見ておらず、敗者を無視しているかを思い知らされました……。

 

他にもたまにテレビなどで見かける「お手柄」系の行動で新聞に載った人の体験談もありました。

 

<個人的な活動(お手柄系)で載った人の体験談>

  • 中学生の時、友達と自転車に乗って買い物に出掛けたら、後ろから自転車で近づいてきた男に前かごに入れていたカバンを引ったくられた。友達と『泥棒』と叫びながら追いかけたが、交差点の信号に阻まれ追跡不可能に。立ち往生している私達を振り返り、ニヤリと笑った男の歯並びが特徴的で、そのまま交番に駆け込みお巡りさんに男の特徴を話すと前科のある有名なひったくり犯だったらしい。数日後、男は捕まり、『女子中学生 お手柄』と新聞にのりました。(40代女性)
  • 小学生の頃、友人との帰宅中に排水溝で溺れている雛鳥を見つけ、排水溝に泥だらけになりながら飛び込み雛鳥を助けました。どこに助けを求めれば良いか分からず近くの交番に連れて行き、その後学校でインタビューを受け新聞に掲載していただきました。雛鳥を連れて行った時、交番の警察官の方に「勇敢なお嬢さんだ。ご立派に育ってらっしゃる。」と言われました。その頃はあまり意味を理解していませんでしたが、その言葉は今でもわたしにとって特別な言葉です。(20代女性)
  • 私は銀行員として10年近く勤めていますが、振り込め詐欺を防止したことで、新聞やテレビで取り扱ってもらいました。来店されたお客様は挙動不審で振り込みをしようとしていたのを見て、事前に防ぎました。身近で振り込め詐欺があった事をとても驚いています。身内や知り合いに大変褒めていただき少し恥ずかしい思いをしました。(30代男性)

 

こんな体験談がクラウドワークスで1000円で集まったことにびっくりです。

 

いや、ほんとにいるんですね、こういう方。ほんとすごい。

 

中学生という年齢でパニックになってもおかしくないのに冷静に特徴を覚えて警官に伝えたり、危険を顧みずに雛鳥を助けたり。振り込む人の挙動だけで振り込め詐欺と判断したり。どれも僕ができそうもないことであり、まさに「HERO」。

 


Mr.Children「HERO」[(an imitation)blood orange]Tour2013 Live

▲HEROといえばこれ

 

そして、少数ではありますが事件や事故で載ってしまったという方もいらっしゃいました。

 

交通事故に遭いました。翌日、家族に「新聞に載ってるよ!」と教えられましたが、体が痛くてしんどい思いをしていたので「そんなこと言われても知らない!!」と怒ってしまってそれっきりです。(20代女性)

 

無条件にテンションを上げてしまう「新聞掲載」という出来事が、負の方向に作用してしまいましたね……。

 

家族は軽いけがで済んで、勝手に安心していたんでしょう。

 

新聞で見つけて、ちょっと「おっ♡」ってなっちゃったんでしょうね。まあ、人間だから仕方ないとも思いますが、まさに「不謹慎」。回答者の怒りも当然でしょう。

 

新聞掲載の思い出は誰にとってもちょっぴり嬉しい思い出

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新聞に自分の名前が載った思い出は、嬉しいような、恥ずかしいような。そんな感覚を持っている人が多いことが分かりました。

 

でも「自分の情報が新聞に載せる価値がある」と認めてもらえて自信になったり、掲載を喜んでくれる親や周囲の人たちの反応に照れ臭くなったりということが大半でしたね。(事故の件を除く)

 

やっぱり「新聞に載った体験談」はほっこりするなあ、と思いました。

 

共通するのはどれも「人生の一大事件」であり、とっておきの話が多いということでした。人に取材されて、記事になる機会ってなかなかないですもんね。

 

僕も自分が載った記事を読んだときは、きっと自分は特別な存在なのだと感じました。今では私がライター。あなたに書くのはもちろんオリジナリティのある取材記事。なぜならあなたもまた特別な存在だからです。