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福岡ではたらくWebライターです。

12年続けたお笑い芸人を辞めて不動産会社へ! 福岡のタレント・ノボせもんまーちんが転職した理由

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こんにちは。ライターの大塚たくま(@ZuleTakuma)です。今回は福岡市中央区鳥飼にある不動産の窓口株式会社さんから取材依頼を受けました。

 

不動産の窓口株式会社さんからは2度目のご依頼。前回は「福岡で家を買うには」ということについて、いろいろ教えてもらいました。

 

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今回の依頼はと言うと、なんでも「不動産の窓口の新入社員として、有名人が入るのでインタビュー記事をつくってほしい」というもの。有名人へのインタビュー。いいじゃないですか、モチベーション上がるぞ。

 

――有名人って、ちなみにどなたですか?

 

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豊島社長:ノボせもんの、まーちんです!

 

――へ、へぇ~!!(だ、誰……?)

 

新入社員まーちんに期待を寄せる不動産の窓口・豊島社長

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――なんかつい知ってるような顔して「へぇ」と言っちゃいました。すみません、ノボせもんさん、存じ上げないです……。

 

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豊島社長:そうですか。福岡のテレビにはちょくちょく出ていたんですが、2020年の8月いっぱいでノボせもんのまーちんは芸能界を引退したんですよ。相方さんは芸人を続け、まーちんは弊社へ入社することになったんです。

  

 ▲福岡の人にTwitterで尋ねると知らない人が少数派だった

 

――まーちんさんはどれほどの期間、お笑い芸人を続けてこられた方なんですか?

 

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豊島さん:12年って言ってましたね。12年間続けたお笑い芸人を辞めて入社するわけですから、応援したいんです。

 

――たしかに12年続けてきた「夢の職業」を辞めるのは、かなり大きな決断ですね。どういういきさつで入社が決まったんですか?

 

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豊島社長:知人から紹介を受けたので、一度食事に行ってみたんです。そしたら、すごく印象が良くて。その場で採用することを決めました。

 

――えっ、そんな簡単に? 大丈夫なんですか?

 

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豊島社長:もちろん。まーちんには期待しているんです。12年もお笑い芸人生活を続けてきたわけですから、根気もあるでしょうし。個性を生かして、頑張ってもらいたいです。

 

なるほど。そもそも、お笑い芸人さんって、どんな暮らしをしているのか興味がある。そして、12年間も続けてきたものを辞めたのはどうしてなのだろう。

 

まーちんさんに詳しくお話を聞いてみようと思います!

 

まーちんの芸人人生を養成所時代から振り返ろう

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お笑い芸人を引退し、不動産の窓口株式会社に入社して、2週間ほど経過したまーちんさん。お笑い芸人生活とはどんなものだったか、詳しくお話をうかがいます。

 

――お笑い芸人生活の12年間を振り返りたいと思います。デビューはいつだったんでしょうか。

 

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まーちん:デビューは2009年ですね。東京にあるワタナベの養成所(ワタナベコメディスクール)を卒業して、半年間のフリーの期間を経て、福岡のワタナベエンターテインメントに所属しました。

 

――東京で養成所に通っていたんですね。養成所ではどんなことをしていたんでしょうか。

 

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まーちん:週に1度、みっちり授業。その週に1度の通学日にネタ見せがあるんです。そこで、結果が出れば月に1度のライブに出演ができるんですよ。だから、そのネタ見せを頑張っていました。

 

――毎週ネタ見せですか。それは大変ですね。

 

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まーちん:毎週新ネタですからね。かなり大変でした。でも、月に1度のライブにはほとんど出演できていました。

 

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まーちん(左)と相方・ナベさん(右)


――すごいですね。養成所時代、週に1度のネタ見せで結果を出し続けられた要因って何だと思いますか?

 

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まーちん:自分たちの感性を信じて、自分たちが面白いと本気で思ったものをやっていたのは良かったと思います。「こういうのがウケるからやろう」というよりは「これが面白いからやろう」という感じですね。

 

――なるほど。養成所のライバルはどんな方々がいましたか。

 

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まーちん:養成所に通う人は年齢層も経歴もバラバラでした。元消防士の人とか、営業マンの人とか。お笑い芸人10年やってるけど、入りなおしたとか。面白い場所でしたよ。

 

――養成所での授業はどんな内容なんですか?

 

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まーちん:主にネタとダンス、歌、演技ですね。その中でも細分化していて、早口言葉とかフリートークの授業なんかもありましたよ。

 

――フリートークの授業なんてあるんですね。どんなことをするのか、あまり想像がつかない……。

 

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まーちん:たとえば、いきなり「最近あった驚いた話は?」って振られるんですよ。「えぇっ!」ってなるじゃないですか。だから、その時から常に「何か面白い話ないかな」とか考えるようになりました。授業内容は養成所によっても差はあるとは思います。

 

――そうやって「タレント脳」みたいなものを磨いていくんですね。卒業したら、全員事務所に所属できるんですか?

 

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まーちん:いや、そんなことはないです。50組~80組くらいいて、所属は5組~7組程度でしょうか。

 

――1割程度なんですね。厳しい世界だ……。

 

福岡に戻ってデビュー! 即レギュラー番組スタート

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――その後、養成所を卒業し、福岡でデビューされたんですね。どうして東京から福岡に戻ったんですか。

 

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まーちん:良い成績で養成所を卒業したんですけど、事務所には所属できなくて。半年間はフリーでやっていたんですが、ライブに出られたのは1回だけ。そんなときに、ワタナベエンターテインメントの福岡支部ができたから、どうだと誘われました。

 

――半年でライブ一回ですか……。それはきついですね。

 

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まーちん:初めての挫折経験でした。ネタ見せしても落ちてライブに出られないし、どうすることもできなくて。

 

――それにしても、事務所に所属はしていなくても、気にかけて見てくれる人がいたんですね。

 

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まーちん:そうですね。実力も元気もあるし、修行がてら行ってみたらどうだと誘われて。ぼくらも東京で売れたい気持ちもあったんですが、決断しました。それで、2009年から福岡のワタナベエンターテインメントに所属となりました。それがプロのキャリアのスタートですね。

 

――福岡に戻ってから、仕事はすぐに入ったんですか?

 

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まーちん:福岡に戻ってきて一発目のお笑いライブを見てくれたプロデューサーの方がいて。「福岡の若手芸人でバラエティをすることになったから、お前らをセンターにしたい」と言われたんですよ。

 

――すごい。順風満帆じゃないですか。運がありますね。なんていう番組ですか?

 

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まーちん:「グルニエ★少年少女」という番組です。2009年4月から2年ほど続いた、福岡ローカルの番組です。

 

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――番組の中ではどんなことをされていたんですか?

 

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まーちん:イメージとしては「福岡版めちゃイケ」みたいな感じです。ロケが多かったですね。でっかいイカを釣ろうとか、あとは体を張る企画が多かったですね。

 

――所属したてで、すぐにレギュラー番組だなんて、大変だったんじゃないですか。

 

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まーちん:当時のディレクターさんが厳しくて。「もっと考えろ、もっと頑張れ」って言われるんですけど、どう考えてどう頑張ったらいいのか、当時全然わからなくて。毎日怒られるんですけど、でも優しい人で。今回、転職先を紹介してくれたのもこのディレクターさんです。

 

――そうだったんですね。今でも、しっかりした付き合いがあるのはすごい。

 

レギュラー番組があれば食っていける?

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――それにしても、デビューしたてですぐにレギュラーなんて。よくあることなんですか?

 

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まーちん:いや、めちゃめちゃ幸運だったと思います。普通は事務所に所属しても、仕事は何も変化ないですね。仕事がないから、とにかくネタをつくる。所属して1年目~2年目でほとんどの芸人は辞めるんじゃないですか。

 

――想像以上に厳しい世界ですね……。事務所に所属するのも難しいのに、所属してもまだ続けられるのは一握りという……。でも、そんな中いきなりレギュラーを得たのであれば、収入はよくなりましたよね。

 

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まーちん:とんでもない!とても食べられません。1回出演した際のギャラは、だいたい5,000円程度です。

 

――えっ、5,000円。アルバイトでももうちょっと日給ありますよね。それは苦しいかも。

 

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まーちん:いやいや、そこから事務所の取り分が半分なので。

 

――えっ。あ、手取りが5,000円なのかと勘違いしました。総額か。2,500円はちょっと。ムリでしょう。

 

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まーちん:で、ぼくらコンビじゃないですか。だから、2,500円を2人で折半。

 

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――……え? え。え。じゃあ、えーっと……。

 

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まーちん:1回ロケに行って、1人1,250円くらいです。

 

――……。(絶句)

 

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まーちん:毎日のように打ち合わせとかはありますけど、それはギャラでないので。ご飯だけ出ます。

 

――こんなに幸運な状況でも、実際のギャラはそんな状況なんですね。お笑い芸人の世界って「厳しい」とは思っていましたが、想像以上だ……。

 

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まーちん:テレビに出てると「売れてる」と思われるかもしれないですが、10日働いても1万2000円とかそういう状況なんですよね。営業でも1人1日2000円とか。最初は本当にそんなものです。

 

――とてもじゃないですが、食べていけないですね。テレビのギャラはないのに、時間はとられるからバイトもできないし。心折れませんか?

 

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まーちん:それが全然折れてなかったんですよね。貧乏さはネタにしてました。たしかにお金はしんどかったけど、楽しかったんですよ。ロケも楽しいし。

 

お金は苦しいけど実は楽しい芸人生活

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――ふつうはお金の苦しみと、人生全体の苦しみって、イコールになってしまいやすいと思うんですよね。

 

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まーちん:そういう感覚が麻痺してしまうんですよね。1~2個ネジが吹っ飛んでる人が多いというか。そういう中にいると、お金がないのはつらいんですけど、あまり感じなくなるんですよ。

 

――そのような状況で「楽しい」というのがよくわからないんですけど……。

 

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まーちん:芸人の中で売れていない芸人って、もう98%くらいだと思うんですよ。体感的には。飲みに行って、合コン行って、ライブ出て。その馴れ合いが楽しいんです。

 

――なるほど。ある種の「ぬるま湯」のような感覚でしょうか。

 

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まーちん:超ぬるま湯の雰囲気があるのも事実で。売れてなくても、みんな売れてないし。自分を棚に上げて、自分よりも売れていない人を見ちゃうんですよね。そして、たまに有名な人と飲める。その生活が意外と楽しいんですよ。怖いところでもあります。

 

――そんな中で本当に売れようと思うと大変なんですね。

 

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まーちん:みんなギラギラしてるんですけど、本当に売れる人はその「ギラギラ度」がやっぱり違いますね。下を見て「あの人よりはマシだな」なんて発想はない。

 

――リアリティのある話だ……。みんな上に行けない中、自分だけが実力で上に行くのって、本当に難しいんですね。

 

暗黒時代を終わらせた「福岡黒田武将隊」

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――「グルニエ★少年少女」は2年間で終了しますが、その後はどうだったんですか?

 

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まーちん:暗黒時代ですね。仕事が一気になくなって。バイト中心ですが、お祭りの司会とか、街コンの司会などの仕事をしてました。ショーパブにも出ましたね。

 

――でも、逆に言うとアルバイトが多くなったので、皮肉にも収入は上がったんじゃないですか?

 

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まーちん:それがそうもいかないんですよ。やっぱりポツポツ芸人の仕事は入るので、思うようにバイトは入れません。そして、当時20代前半で物欲も強かったので、お金を使う額も増えました。結局、お金には困ってました。

 

――その暗黒時代はどれほど続いたんでしょうか。

 

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まーちん:約3年ほど続きました。その暗黒時代は「福岡黒田武将隊」によって終わります。

 

――「福岡黒田武将隊」?? 何ですかそれ?

 

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まーちん:「軍師官兵衛」っていう、NHK大河ドラマに合わせて、福岡市がつくったPR隊です。福岡市の事業で、この間は福岡市の職員として勤務します。

 

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福岡黒田武将隊時代のノボせもん

 

――福岡市の職員扱いということは、固定給ですか?

 

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まーちん:そうですね。大卒の新入社員くらいの固定給がもらえます。ぼくの芸人キャリアでもっとも収入が安定していた時代ですね。

 

――「福岡黒田武将隊」って、そんなに仕事があるんですか。

 

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まーちん:もう何にでも呼ばれるんです。テレビだろうが、イベントだろうが。ぼくらは仕事がなかったので、つきっきりでできるだろうということで引き受けました。

 

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――でも、お笑いの仕事ではないじゃないですか。「こんなことをしていて良いのかな?」という気持ちにはなりませんでした?

 

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まーちん:そうは思わなかったですね。けっこう「福岡黒田武将隊」の活動が充実していたんですよ。

 

――どう充実していたんですか?

 

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まーちん:武将隊として、全国放送のテレビなど、大きな舞台も踏めますし。はじめて「仕事してるなぁ」って思いました。武将隊って全国にいて、それぞれでファンがいるんですよ。とくに名古屋の武将隊は人気です。

 

――お笑いの仕事ではなくとも、充実感を感じることはできていたんですね。

 

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まーちん:ぼくは中学時代からお笑いが大好きでしたけど、根本には「目立ちたい」という気持ちがあるんです。何かで目立って、楽しいことさえやれていれば、それが結果的にお笑いにも返ってくるはずだと思って頑張っていました。

 

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――「福岡黒田武将隊」にも固定のファンがいたんですか?

 

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まーちん:はい。契約は2年間なんですが、契約が終わるころに「辞めないでくれ」って署名を集めて、嘆願書を出してくれました。

 

――すごい! 熱狂的じゃないですか。

 

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まーちん:ありがたいですね。でも、結局2年で終わりました。

 

 

――「福岡黒田武将隊」の後、お仕事は増えました?

 

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まーちん:「グルニエ★少年少女」が終わった直後よりは、よくなりました。番組レギュラーとしても、ちょこちょこ呼んでもらえて。週4日くらいは仕事していました。それで、ギャラは合わせて月に10万円程度でした。

 

――それでも月に10万円程度ですか……。やっぱり厳しい。

 

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自分たちで企画を通した「ホームランキャッチプロジェクト」

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――「福岡黒田武将隊」の後は何がありました?

 

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まーちん:その後は「ホームランキャッチプロジェクト」ですね。テレビの企画で、2年間やりました。ホークス選手のホームランボールをキャッチするという企画です。自分たちで企画書を書いて、提案したんですよ。

 

――ホームランボールを意図的にキャッチしようって、めちゃめちゃ難しいですよね。

 

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まーちん:ホークスの試合をビジターもホームも全部観に行って、ただただホームランボールをキャッチするためだけに頑張りました。

 

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――でも、基本的にホームランボールって捕れないじゃないですか。テレビで何を放映するんですか?

 

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まーちん:そう、ホームランボールを捕るか、捕らないかだから、あまり流せる場面がなくて。番組が終わる最後の5分だけ、その週の状況が流れるような感じでした。通常5分、面白いことが起こった週は10分。ディレクターさんも大変だったと思います。

 

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――いやー、これもまた大変な仕事ですね……。

 

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まーちん:1年目は「ナイトシャッフル」という情報番組でやっていたんですが、ホームランボールは捕れませんでした。反省ということで、バラエティのノリで坊主になって。2年目は番組が変わって「頑張る君に花束を!」という番組でホームランキャッチプロジェクトが継続されることになったんですよ。

 

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――番組が変わっても企画は継続されたんですね。番組が変わって、何か変わりました?

 

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まーちん:芸人引退を懸けて、ホームランキャッチプロジェクトを行うことになったのが一番変わった点ですね……。

 

――えっ、芸人引退ですか……。それは厳しい。

 

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まーちん:でも結局、143試合全試合観て、ホームランボールをキャッチすることはできなかったんです。

 

――まあ、難しいですよね……。

 

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まーちん:ぼくはもう芸人を辞めるつもりでいました。一度言ったことですし、周囲にも話していたので。でも、相方はまだ続ける気だったんです。視聴者の方からも「かわいそうすぎる」という声が届いていました。

 

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――たしかに、応援していた人ほど「かわいそうすぎて見てられない」という心境になりそうですね。

 

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まーちん:その結果、クライマックスシリーズで敵味方関係なくホームランボールをキャッチできれば、芸人続行してOKということになりました。

 

まさかのホームランキャッチ

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――でもまあ、クライマックスシリーズで敵味方関係なく……というのも、あまり変化なく難しいですよね。

 

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まーちん:……と思いますよね。でも、捕ったんですよ、ホームランボール。捕ったんです!

 

――えっ! 本当ですか。すごい!!

 

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▲実際の映像

 

――本当だ。しかもきれいにキャッチしている。

 

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まーちん:相方のナベがしっかりキャッチしてくれたんですよ。でも、ロッテの清田選手のホームランだったので、ホークスのユニホームを着てガッツボーズしてしまったのは反省しています。

 

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実際にキャッチしたホームランボール

 

――これは大事件ですね。本当に凄い。

 

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まーちん:はい。プロジェクトを実行している間、ホークスの松田選手が応援してくださっていて。

 

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――へ~! そうなんですね。

 

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まーちん:試合前にはホームランキャッチの練習として、キャッチボールをしてくれたこともありました。

 

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試合前に松田選手とキャッチボールするまーちん

――松田選手も本当にキャッチするとは思ってなかったんじゃないですか?

 

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まーちん:敵チームの清田選手のホームランボールのキャッチだったんですけど、喜んでくださいました。

 

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――松田選手のこういうやさしいところ、いいですよね。ファンになっちゃいます。

 

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まーちん:「頑張るキミに花束を!」では、ぼくたちのホームランキャッチプロジェクトを特集にして、スペシャルを組んでくれました。このときはけっこう話題になりました。

 

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――こうやって注目を集めたのであれば、仕事は増えたでしょう。

 

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まーちん:それが、自分の思っていたよりは増えなくてですね……。このあたりから、「この先どうしよう」と考えるようになってきます。相方とも、考え方に違いが生まれ始めました。

 

中3の頃、ナベさんとコンビを結成

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――そもそも、ナベさんとコンビを組んだのはいつからだったんですか?

 

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まーちん:もともと同じ小学校出身で。中3の頃、ナベと同じ個別指導塾に行っていたんですよ。その時に、お互いがお笑い好きだという話をして。遊びの延長みたいな感じで、コンビを組んでいました。

 

――「遊びの延長でコンビを組む」というのは、どんなことをしていたんですか?

 

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まーちん:コピーして練習したネタを廊下で同級生に披露したり、MDで「オールナイトニッポン」の真似事をして録音して2人で聞いたりしていました。

 

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――高校や大学に進学しても、コンビ仲は変わらなかったんですか?

 

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まーちん:変わらなかったですね。別々の私立高校に進学しましたが、部活にも入らず、夕方から会ってました。大学でも変わらず、文化祭でネタを披露することもありました。そして、在学中に養成所に入るんです。

 

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――高校や大学に進学するタイミングで、お互いの進路に関してぶつかり合ったりすることはなかったんですか?

 

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まーちん:それがなかったんですよね。自然消滅しかけたこともありません。あまり深く考えずに、ただただ「2人でいたら楽しい」という感覚でした。本当に遊びの延長、友達の延長で。それは今でもそうです。

 

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――本当にめちゃめちゃ仲が良かったんですね。

 

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まーちん:年頃の男二人が夜遅くまで、ぼくの部屋でキャッキャッ喋っているもんだから……。母から「この子たちは危ないんじゃないか」と心配されたこともありました。

 

――中学、高校、大学とだんだん成長してきて、自己主張も強くなる時期じゃないですか。「お前はそうかもしれんけど、俺はこうしたいんだ」みたいな、主張のしあいはなかったんですか?

 

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まーちん:そういうのは一切ないです。もう本当に遊びの延長という感じだったので。15歳のころから、35歳の現在まで、そのままずーっとこの関係性でやってきました。

 

お笑い芸人引退を決断した理由とは

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――ナベさんとの素晴らしい関係性の中、お笑い芸人を12年間にわたって続けてきました。「芸人を引退する」ということを考え始めたのは、何がきっかけだったのでしょうか。

 

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まーちん:「福岡黒田武将隊」や「ホームランキャッチプロジェクト」という1~2年がかりの大きな仕事をする中で、考えの幅が年々広がってきました。そこからですね。

 

――それまではお笑いのことだけをナベさんとまっすぐに考えていたのが、少しずつ変わってきたということですか。

 

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まーちん:そうです。とくに「ホームランキャッチプロジェクト」では、いろんな人と接しました。裏方の人にインタビューをしたり、たくさんの人と話したり。そして、企画をきっかけに「お笑い芸人を辞める」という決断を一度本気でしたことも大きかったと思います。

 

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――具体的にはどのように変わっていきましたか?

 

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まーちん:お笑いの仕事はこれまで通り楽しいんですよ。瞬間だと楽しい。ロケもラジオも楽しい。でも、ふっとチラつくようになりましたね。先々の不安が。

 

――楽しいだけじゃなくなってきたんですね。

 

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まーちん:風呂場で考え込むんです。シャワー浴びている時とか。このままでいいのかと。でも、やっぱり先輩たちと飲んでいるときとか、楽しいので。辞める方がキツいんですよね。

 

――あー、わかります。こういう時はそうですよね、「辞めた方がいいのでは?」という自分の気持ちに向き合わなきゃいけない。何もしない方が楽ですよね。

 

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まーちん:最終的な決め手は「結婚」を決断したことですね。

 

――なるほど。これまでもお笑い芸人の収入に関してはうかがってきました。結婚すると、もう一人だけの人生ではないですからね。

 

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まーちん:彼女からも「私の給料だけじゃ食わせられないから、定職についてほしい」ということを言われました。これから家庭を築いていくのなら、たしかにそうだなと思いました。正論だな、と。

 

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――これまでもまーちんさんのギャラについては触れてきましたので……。たしかに続けるのは限界がありますよね。一人ならいいでしょうけど。また「これからもっと伸びる」という確証があればいいんですが。

 

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まーちん:「福岡黒田武将隊」や「ホームランキャッチプロジェクト」という大きな仕事が終わり、さらに大きな仕事をしたいという想いはありました。ただ、そういう話はなくて……。お笑いに対して、燃え尽きたようなところはあります。

 

――家庭の未来のためにお笑い芸人を辞める決断をされたということなんですね。35歳にして、初めてサラリーマンに挑戦。ぼくはとても勇気ある決断だと思います。

 

20年連れ添った相方・ナベさんへの想い

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――ナベさんに引退を決断したことを話したとき、どのような反応をされていましたか。

 

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まーちん:いつもネタ合わせをしていた赤坂のスタバに「ちょっと話がある」と呼びだして、事情の説明をしました。「売れんかったかー!」と天井を見上げていた姿が印象に残っています。

 

――すぐに事情を受け止めて、売れなかったことを悔やむナベさんに優しさや愛情を感じますね。その後、最後の漫才を撮影されていました。

 

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まーちん:お客さんがいない状況でやったのが、実感が湧かなかった……というのが正直なところですね。やっぱり芸人は見られてナンボなんですよ。最後、お客さんがいるところでやりたかったですね。この状況なので、仕方ないですけれど。

 

――ナベさんには、これからどんな芸人生活を送ってほしいですか。

 

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まーちん:ぼくも考えはまとまっていませんが……。やっぱり売れてほしいし、活躍してほしいというのは大前提にありますね。そして、単純に幸せになってほしいなと思っています。納得できる芸人人生を送ってほしいと思います。

 

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――売れる、売れないだけでは測れませんもんね。

 

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まーちん:お笑いって、数字があるわけじゃないので。M-1チャンピオンとかはありますけど、それでも売れるとは限らないわけじゃないですか。売れる、売れないはどうあれ、とにかく後悔しないようにしてほしいです。

 

――ちなみに、まーちんさんの芸人人生は納得いくものでしたか。

 

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まーちんさん:今考えると「ああすればよかった」ということはあります。でも、その時はちゃんと考えて、納得のいく選択はしていました。いいお笑い人生だったなと思います。幸せなお笑い人生であったことは間違いないです。

 

――これまでノボせもんを見守ってくれた方々にメッセージをお願いします。

 

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まーちん:本当に感謝の気持ちしかないですね。今まで本当にありがとうございました。あとは最後に挨拶できず、きちんとネタ見せ出来ず、申し訳ありませんでした。そして、今後はノボせもんなべの応援をよろしくお願いします。

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不動産の窓口株式会社へ入社を決めた理由

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――まーちんさんは2020年9月1日から、不動産窓口株式会社の社員となりました。賃貸物件を担当しているとのことですが、働き始めて、毎日どうですか?

 

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まーちん:まだ手探り状態ですけど、毎日勉強できて楽しいですね。新入社員ですけど、チームの一員として接してくれるので「ピシッ」と気が引き締まるような気持ちです。「頑張らないと」って思います。

 

――1日終わると、すごく疲れててびっくりしませんか?

 

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まーちん:終わるとどっと疲れますね。気が張ってるんだと思います。ビジネスマナーとかも全く知らないので。「名刺交換したら、名刺は名刺入れの上に置く」とか、そんなことも一つひとつ勉強しています。

 

――転職先として営業マンを選んだのは、何か理由がありましたか?

 

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まーちん:やっぱりこれまでやってきたことを完全に捨てるのはムリだと思ったんですよ。たとえば、工場で黙々とやる仕事なんかは向いてないなと。「人間を売るしかないな」と思っていました。

 

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――転職先として、不動産の窓口株式会社を選んだ決め手は何でしたか?

 

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まーちん:社長に「そのままでいいよ」と言ってもらえた影響は大きかったですね。入社したらゼロにならないといけないと思ったので。それでかなり気が楽になりました。

 

――なるほど。社長はまーちんさんの、そのままの個性が会社のためになると考えているんですね。

 

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まーちん:社長はぼくに優しく1からいろいろ教えてくれて。しかも、ぼくの意見も聞いてくれて。これから恩返ししていきたいですね。

 

――これから会社で成し遂げたい、野望や夢はありますか?

 

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まーちん:今までぼくがやってきたことを生かして、人と繋がれたらいいなと思います。ほかの不動産屋さんではできなくても、ぼくならできるということを探していきたいですね。そういったことを、感謝を忘れずにできたらいいなと思います。

 

――なるほど。まーちんさんの第二の人生、応援しています! 本日はありがとうございました。

 

「お笑いは人材の宝庫」社長がまーちんに寄せる期待とは

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濃厚なまーちんさんのインタビューを終え、ぼくは豊島社長ともう一度お話させてもらいました。

 

――4時間も話してしまいました。いやー、濃い話でした。

 

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豊島社長:それくらい盛り上がるんじゃないかなあ、とは思っていました。

 

――まーちんさんがお笑い芸人だったことに対し、社長はどういう部分で期待をしていたのでしょうか?

 

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豊島社長:まずは、対人スキルが非常に高いと思います。

 

――なるほど。お客さんの前で笑いをとっているわけですから、コミュニケーションは得意ですよね。相方さんとの密なコミュニケーションもそうですし。

 

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豊島社長:あとは1を10にして伝える能力が圧倒的に高い。商品を必要以上によく言うとか、そういうことじゃなくて、お客さんが気になることまで細やかに教えてあげられるとか。そういう面で役立つと思うんです。

 

――たしかに。そこは一般の人が到底かなわないところでしょうね。

 

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豊島社長:あとは芸人としてチャレンジを続けてきた、マインドの強さですね。サラリーマンが停滞している間も、ずっと1打席1打席を大切にしてバットを全力で振り続けた強さは魅力的です。

 

――ぼくもサラリーマンの経験があるからわかりますが、サラリーマンになるとバットを振ってる「フリ」をするのがうまくなってくるんですよね。

 

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豊島社長:そうそう。でも、彼は全力でバットを振り続けてきていますからね。あとは彼の個性も魅力です。すごく素直な男でしょう。

 

――いや、ほんとに。素直でまっすぐで。魅力的な方ですね。

 

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豊島社長:そういう彼のイイところを、社会に揉まれて失くしたくないんですよね。社会に合わせてほしくないなと思います。

 

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――なるほど。そうやって、お笑い芸人として懸命に生きてきたまーちんさんの経験や個性をそのまま生かすという考え方なんですね。

 

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豊島社長:「こんなことしたらいいんじゃないですか」とか、サラッと言ってくれたり。挨拶もいいし、社内が明るくなりますよね。

 

――入社して2週間でムードメーカーになってるってことですよね。

 

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豊島社長:いや、もう完全にムードメーカーですよ。かわいいし打てば響くんで、みんなどんどんまーちんにボールを投げるんですよ。お笑いの世界って、こういう人がまだまだたくさんいるんじゃないかと思っています。人材の宝庫ですよ。

 

――なるほど。これからのまーちんさんの活躍に期待ですね。ありがとうございました。

 

サラリーまーちんの今後に期待

まーちんさんのTwitter(@Nobosemon_m)をのぞいてみると、なんともう賃貸物件の契約を獲得したそうで、報告されていました。

 

 

まーちんさんのお話をうかがい、お笑い芸人のリアルや、第二の人生へ踏み出す勇気。そして、芸人さんたちの能力の高さや宝物のような個性の価値を知りました。

 

「お笑い芸人を引退する」というとマイナスイメージがありましたが、一般の人なら「転職」というのは普通のこと。胸を張って引退し、いきいきと働いているまーちんさんは魅力的でした。

 

まーちんさんは不動産の窓口にいますので、賃貸物件を検討してらっしゃる方はぜひ不動産の窓口に足を運んでみてくださいね。きっとまーちんさんが、持ち前の明るさで元気に迎えてくれるはずです。

 

mado-guchi.com