YouTubeをやってみたいけど、どうしても抵抗があるのが顔出し。
そんなに自信を持って見せられる顔じゃないし、家も汚いから見せたくない。
ぼくも同じ悩みを持っていました。いろいろ試行錯誤した結果、最終的にたどり着いたのがスライドを使った、プレゼン式の動画作成です。
この動画の作り方を試した途端、再生回数は5倍以上になり、チャンネル登録者もじわじわ増加。ようやく収益化を果たしました。楽に作れるので、動画の更新頻度も上がりました。
この記事では、スライドを作り込み、プレゼンのように動画を作成する方法をお伝えします。
ちなみに、ぼくが運営しているチャンネルは「大塚はアビスパ福岡を何とかしたい」という、サッカーJ1リーグに所属するアビスパ福岡の応援チャンネルです。今回は「大塚はアビスパ福岡を何とかしたい」を例に挙げながら、解説します。
なお、今回の記事はアドビ社のPR企画「みんなのデザインチャレンジ」に参加して執筆しています。
顔出しなしのプレゼン型YouTube動画の作り方
顔出しなしのプレゼン型YouTube動画の作り方の流れを紹介します。
1.テーマを決めて調査する
テーマを決める時は「視聴者にどう感じてほしいか」という視点をベースに、テーマを考えていきましょう。
ぼくのチャンネルで重要視しているのは、「アビスパ福岡サポーターの共感」です。人気を集めているJリーグチャンネルの大半は「戦術解説」と「観戦Vlog」となっており、その人気の本質は「サポーターの共感」にあると考えています。
より多くの共感を集めるためには「運営者個人の感想」よりも「サポーターみんなの感想」の方が効果的です。
そのため、ぼくはアビスパ福岡のサポーターのみなさんにアンケートを実施し、それに回答してもらうことで、YouTube動画に必要な情報の調査を行っています。
サポーターへのアンケートは「楽しく答えられる」ことを重視し、アンケートに答えた方の意見が動画内で紹介される形式です。
ラジオ番組のような参加型のYouTubeチャンネルになっていることから、繰り返し見る固定のコアな視聴者をつかめる仕組みにしています。
2.調査内容をスライドにまとめる
顔出しなしとなると、映像の見応えがなくなることが懸念されるはずです。しかし、スライドを視覚的に見やすく作り込むことで、映像でも飽きさせないようにできます。
ぼくは当初「ラジオ番組形式なのだから映像は同じ静止画でもいい」と考えていました。しかし、視聴者から「YouTubeでわざわざ見るような映像が流れないので、もっと映像にもこだわってほしい」という意見が多く寄せられるようになったのです。
初めてYouTubeチャンネルに熱い不満が届き、ぼくは「これはいけるかもしれない」と思いました。それほど「このチャンネルの企画を楽しみたい」と思っている、視聴者の意志の表れだと思ったからです。
そこでスライドを作り込んだ動画作成に取り組んでみました。
スライドをこだわるようになったことで、これまで500再生に到達することも難しかったにも関わらず、コンスタントに2000再生を超えるようになりました。
「アビスパ福岡について語り尽くす」というニッチな動画で、この結果が出たことにぼくはとても驚きました。そこから、ぼくはデザインの良いスライドを作り込むようになったのです。
3.スライドをもとに台本を書く
紙芝居のような感覚で、スライドに書いてあることを説明していくように作ってください。
ただし、ぼくの場合は普段台本を作っていません。日頃、講師として登壇することが多いことや、テレビ出演やラジオ出演の経験もあり、ある程度喋ることが得意だからです。
台本を作ってしまうより、目の前に視聴者がいると思って、自然なテンポで喋ることで、親近感を演出しようと思っています。
ただし、スライドを作りながら「このスライドではこんなことを喋ろう」というイメージトレーニングを行っています。「脳内台本」と言ってもよいかもしれません。
「台本を書く」ことが本質ではなく、「このスライドではこんなことを喋ろう」という狙いを持つことが本質です。
4.レコーディングする
レコーディングといっても、そんなに大掛かりな設備は必要ありません。スマホのボイスレコーダーでもOKです。
ぼくは普段、MacBookのボイスレコーダーでレコーディングしています。
スライドを見ながら喋れるし、それなりに音も良いので便利です。
スライドと音声データを動画編集ソフトで一体化させる編集を施して、完成です。スライドショーで、パソコンの画面収録しながら喋る方法もあります。ご自身に合った方法を選んでください。
5.サムネイルをつくる
スライドをつくる要領で、そのままサムネイルをつくりましょう。ぼくのチャンネルでは、スライドの1枚目をそのままサムネイルにするようにしています。
同ジャンルで人気を集めているチャンネルのサムネイルを参考にしつつも、一目でわかるという基本を忘れないようにしましょう。
「おっ」と思わずクリックしたくなるような文言を目立つようにデザインし、視聴者の関心を惹けるように工夫してください。
「Adobe Express」なら、YouTubeサムネイルのテンプレートがあるので、クオリティの高いものが簡単に作れて便利です。
6.タイトルを付けて動画公開
タイトルをつける際、もしよく検索されるようなテーマを取り扱うのであれば、検索フレーズを入れたタイトルをつけてください。そうすることで、検索流入を期待できるようになります。
ただし、YouTubeは検索流入以上に各ユーザーの「YouTubeのおすすめ」に出るようになることが重要です。
「YouTubeのおすすめ」に表示されることを想定し、サムネイルとタイトルが両方表示されている状態をイメージしながら、クリックしたくなりそうなタイトルをつけましょう。
気になる画像をサムネイルにし、その画像の補足をタイトルで行うような形が理想的だと思います。
プレゼン型YouTube動画は解説系ジャンルにぴったり
プレゼン型YouTube動画に合ったジャンルは、解説系です。
動画セミナーをイメージするとよいでしょう。動画セミナーで解説できるような題材はすべて、プレゼン系のYouTubeにできます。
- 書籍の紹介
- 何らかのHow To
- 何らかの解説
- 自己啓発系 など
ビジネスの解説、資産運用の解説、自己啓発に関する解説といったジャンルは、どのような人にも当てはまりますし、ニーズも多い題材です。その一方で、競合のチャンネルが強く、なかなか勝ち抜くことが難しい題材でもあります。
解説が必要だけど、競合はまだ少ないようなテーマを探してみてください。
プレゼン型YouTube動画を面白くするポイント
プレゼン型YouTubeを面白くするためのコツを3つご紹介します。
1.YouTubeを運営する目的を明確にする
まずは何のためにYouTubeを運営するのか、目的を明確にしましょう。
ぼくの場合は、YouTubeを通じてアビスパ福岡サポーターに、よりアビスパ福岡を楽しんでもらいたいという目的がありました。その目的を果たせれば、少額ではあるでしょうが、収益も生まれるだろうという考えです。
「YouTube=収益化」と考えられがちですが、決してそんなことはありません。YouTubeはあくまでSNSなのです。自由に活用してください。
ぼくの夢はYouTubeの収益だけで、アビスパ福岡のスポンサーになることです。現在は自社からスポンサー経費を捻出していますが、ゆくゆくはYouTubeだけで賄いたいと思っています。
それを公表することで、YouTubeもアビスパ福岡ももっと盛り上がるんじゃないかと思っています。そうすることで、より自分自身のサポーター活動を充実させたいです。
2.スライドのデザインに凝る
スライドのデザインを殺風景にせず、細かいデザインにこだわりましょう。
ぼくのチャンネルでは、アビスパ福岡のホームスタジアムをチームカラーのワントーンにした写真を作成し、スライドの背景にしています。
調査結果を紹介する時には、見やすいグラフ画像が必要です。一人一人のコメントを紹介する時も全てスライドで表示するようにしています。
1枚1枚のスライドを見やすく、楽しく。そうすることで、視聴者が飽きなくなります。
3.聞き取りやすく喋る練習をする
顔出しなしでYouTubeをつくるときに重要になるのが、明確に聞き取れる「喋り」です。顔を出さない分、特に重要です。
レコーディング前に発声練習をするのがおすすめです。「イウエオア、ウエオアイ、エオアイウ、オアイウエ、アイウエオ」と、一音一音を意識しながら発声するようにしてください。
苦手意識がある場合は、お腹から声を出して、早口にならないように注意し、ゆっくりでもいいのではっきり喋ることを心がけるようにしましょう。
Adobe ExpressのYouTubeでの活用方法
これまで、ぼくは様々なツールでスライドをつくってきました。今回、はじめて「Adobe Express」を使って動画を作りました。
「Adobe Express」を使えば、YouTubeに簡単に使えるようなスライドができあがります。
スライド編
「Adobe Express」でスライドを作る時の流れを解説します。
まずは、左上の「➕」マークがあるボタンをクリックします。
そうすると、「新規作成」の検索画面が現れるので「プレゼンテーション」と入力します。
そうすると「プレゼンテーション」のテンプレートが現れるので、そこをクリックしてください。
プレゼンテーションのテンプレートは、2023年11月時点で1,920件とかなり種類が豊富です。さらに検索することもできますので、「ビジネス」などさまざまなワードで検索してみてください。
加えて、スライドをつくるときに効果的に活用できるのが「メディア」です。自由に使用可能な写真素材や動画素材がかなり多く、これは動画作成にかなり活かせます。
なお、「Adobe Express」で使えるメディアは「Adobe Stock」のものとなっており、無料で使えるものでも高品質な素材が多いのが特徴です。
無料の写真やイラストのフリー素材であれば、これまで困ることはほとんどありませんでした。しかし「動画素材」を無料で、こんなにたくさん使えるのは驚きです。
スライドの背景に使えるような動画素材もかなり多くありましたので、今回のぼくのYouTubeでも思う存分使ってみたいと思います。シュールで面白い仕上がりになりそうで楽しみ……。
サムネイル編
YouTubeのサムネイルを作る時も「Adobe Express」が活用できます。
「YouTubeサムネイル」で検索すると、テンプレートが表示されるようになります。
2023年11月時点で5,040件の数多くのテンプレートが用意されており、アレンジするだけで効果的なテンプレートを作成できます。
もちろん、テンプレートを使用しなくても、画像や文字装飾を活用して、クオリティの高いYouTubeサムネイルを作ることは可能です。
YouTubeではサムネイルの右下に動画の分数が記載されます。そのため、右下はその分を空けました。
Adobe Expressを使用したYouTube動画の実例
こうして、「Adobe Express」を活用して、実際にYouTube動画を作成することができました。「アビスパ福岡の試合を観に行きたくなる動画」というテーマです。
動画素材が入ることで、動画の中でシュールな雰囲気を演出できました。今後、もっと効果的な使い方を模索していきたいですね。
動画のテーマとしては、アビスパ福岡の試合を観に行ったことがない方に向けてのものです。もちろん、そのテーマは守っていますが、裏テーマとしてはやはり「既存のサポーターの共感」です。
既存のアビスパ福岡サポーターの方に共感、共鳴してもらい、この動画をアビスパ福岡の試合観戦に行く時にシェアして使ってもらえれば理想ですね。
目的を持ってYouTubeをやることはとても楽しいことです。サポーターの共感や共鳴を得られると、たくさんのファンがつきます。
収益第一ではなく、ぼくが他のサポーターの方と一緒にアビスパ福岡の応援をよりいっそう楽しむためのYouTubeです。そうして、もっとぼくも、みんなもアビスパ福岡の応援が楽しめればと思います。
YouTubeを始めて、アビスパ福岡のサポーターの中には、かなりの「ぼっちサポーター」がいることを知りました。スタジアムでグループでハイタッチをしている人だけがサポーターではなかったのです。
そんな方から「YouTubeで感じられるみんなとの一体感が好き」という声を数多くいただくようになりました。そんなメッセージをいただくたびに、このYouTube活動の意義を感じています。スタジアムで「YouTubeを観ています」と、声をかけられる頻度が増えました。
これからもYouTubeの視聴者と一緒にアビスパ福岡を楽しめるように、動画作成を続けていきたいです。
カメラなしで無理なく続けられる顔出しなしのYouTube作成では、ぜひ「Adobe Express」を活かしながら、作ってみてください。あなたのYouTube活動が充実したものになることを祈っております。